教育訓練給付は自分も使える?加入期間と2回目の条件
| 一般教育訓練 初めて使う人の加入期間 | 1年以上 |
|---|---|
| 転職前の期間を通算できる空白 | 1年以内 |
| 離職後の適用対象期間(延長した場合) | 最大20年以内 |
| 一般教育訓練で給付がゼロになる経費 | 2万円以下 |
| 分類 | 通信講座の基礎知識 |
| 所管 | 厚労省 |
| 最終確認日 | 2026/10/14 |
| 出典 | 8本 |
この記事の要約
教育訓練給付を使えるかは、雇用保険に入っていた期間の数え方でほぼ決まります。転職をはさんだ通算、2回目の条件、離職後1年を過ぎた場合の延長、パートの加入要件まで、ハローワークの案内で確かめます。
本文
教育訓練給付の説明を読むと「雇用保険に加入していた期間が3年以上(初めてなら1年以上)」と書いてあります。けれど、実際に迷うのはその先です。転職して会社が変わった人は通算できるのか。5年前に一度使った人はもう使えないのか。退職して1年以上たってしまった人は。パートで働いている人は加入しているのか。この記事は、給付率や申請手順ではなく「自分が対象かどうか」を自分で確かめる方法だけに絞って、ハローワークの案内(2026年10月14日に確認)をもとに整理します。
3つの類型の給付率・上限額と申請の流れは教育訓練給付金の解説記事に、対象講座の調べ方は対象講座の探し方にまとめています。ここでは、その前の段階の話をします。
BASIC01まず、要件は2つの立場で分かれる
教育訓練給付の対象者は、受講を始める日に雇用保険の被保険者である人(在職者)と、被保険者であった人(離職者)の2通りです。ここでいう被保険者は、雇用保険の一般被保険者と高年齢被保険者を指します。一般被保険者だけでなく、高年齢被保険者として加入している人も対象に含まれます。会社の取締役や役員は原則として被保険者にならず、国や地方公共団体などに雇われる人の一部も雇用保険法で適用除外とされています。まず自分が加入しているかを確かめてください(確かめ方は05節)。
| 在職中の人 | 受講開始日に、雇用保険に加入していた期間(支給要件期間)が3年以上あること |
|---|---|
| 離職した人 | 離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、支給要件期間が3年以上あること |
| 初めて使う人 | 上の「3年以上」が、一般教育訓練と特定一般教育訓練では1年以上、専門実践教育訓練では2年以上に緩和される(当面の間の措置) |
在職中かどうかで違うのは「離職から1年以内」という条件があるかどうかだけです。会社を辞めなくても使える制度なので、働きながら講座を受ける人がいちばん使いやすい立場だといえます。
PERIOD02加入期間(支給要件期間)の数え方
支給要件期間は、受講開始日までに同じ会社で続けて雇用保険の被保険者として雇われていた期間のことです。では転職した人はどうなるか。ハローワークの案内では、いまの会社に入る前に別の会社でも被保険者だった期間があり、その間の空白が1年以内なら、両方の期間を通算するとされています。たとえば前の会社で2年、1年以内の空白をはさんで今の会社で1年なら、通算して3年です。
逆に言えば、前の会社を辞めてから次に雇用保険のある仕事に就くまでに1年を超える空白があると、それより前の期間は数えられません。子育てなどで数年仕事を離れ、最近パートで働き始めた人は、今の勤め先での加入期間だけが対象になる可能性が高いということです。
もうひとつ見落としやすいのが「受講開始日」です。通学制なら講座の所定の開講日、通信制なら教材などの発送日で、どちらも講座を実施する学校が証明する日付です。自分で勉強を始めた日ではありません。加入期間がぎりぎりの人は、この日付ひとつで対象かどうかが変わります。
SECOND032回目に使うときの3つの制限
一度給付を受けた人も、もう一度使えます。ただし次の3つの制限がかかります。
- 期間のリセット:前回給付を受けたときの受講開始日より前の加入期間は通算されません。前回の受講開始日以降に、あらためて支給要件期間が3年以上たまっている必要があります(2回目なので「初回は1年」の緩和は使えません)
- 3年ルール:今回の受講開始日の前日から数えて3年以内に教育訓練給付金を受けたことがある場合は、支給されません
- 同時に複数は不可:同時に複数の講座について支給申請をすることはできません
専門実践教育訓練にはさらに別の上限があります。最初に専門実践の給付を受けた講座の受講開始日から10年の間に始めた専門実践講座の給付は、合計192万円が限度です(最初の受講開始日が2024年9月30日以前の人は168万円)。
AFTER04離職して1年を過ぎた人:適用対象期間の延長
離職した人は、原則として離職日の翌日から1年以内に受講を始める必要があります。この1年を「適用対象期間」と呼びます。ただし、その期間中に妊娠、出産、育児、疾病、負傷などで受講できない期間が30日以上続いた場合は、ハローワークに申し出ることで、受講できなかった期間の分だけ延長できます。延長は最大19年で、もとの1年と合わせて最大20年以内まで広がります。
手続きは「教育訓練給付金適用対象期間延長申請書」を、住所を管轄するハローワークへ提出します(本人または代理人の来所、郵送、電子申請)。受講できない状態が30日以上続いた日の翌日以降、早めに出すのが原則ですが、延長後の適用対象期間の最後の日までなら提出できるとされています。出産や育児で退職した人が、何年かたってから学び直しを考えた場合でも、この延長に当てはまるかどうかを確認する価値があります。
PART05パート・アルバイトは加入しているか
雇用保険には、パートやアルバイトといった呼び方に関係なく、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある人は、原則として本人や会社の希望にかかわらず加入します。週20時間に届かない働き方だと、現在は加入対象外です。
この線は今後変わります。2024年に成立した雇用保険法等の改正で、加入要件の週所定労働時間が「20時間以上」から「10時間以上」に引き下げられることが決まっており、施行は2028年(令和10年)10月1日です。新たに加入する人も、教育訓練給付を含めて今の被保険者と同じ給付の対象になると厚生労働省は説明しています。ただし支給要件期間は被保険者として雇われた期間なので、新しく加入した人が給付を受けられるのは、その後に加入期間の要件(初めてなら1年以上など)を満たしてからです。
自分が加入しているかどうかは、雇用保険被保険者証や資格取得等確認通知書で確かめられます。手元に見当たらなければ、加入の届出がされているかをハローワークに本人が照会できる仕組みもあります(本人・住所確認書類が必要)。
CHECK06迷ったら「支給要件照会」で先に確かめる
加入期間が足りているか、離職から1年以内か、自分では判断しきれない場合は、受講の前にハローワークへ支給要件照会ができます。受講開始(予定)日の時点で受給資格があるかと、希望する講座が指定を受けているかを確認してもらう手続きです。
- 「教育訓練給付金支給要件照会票」に記入し、本人確認書類を添えて提出する
- 提出方法は本人または代理人の来所、郵送、電子申請。代理人なら委任状が要る
- 電話での照会は受け付けていない
- 結果は「教育訓練給付金支給要件回答書」で届く
注意点は2つあります。照会したときの受講開始予定日と実際の受講開始日が違ったり、照会のあとに離職して加入期間が変わったりすると、回答どおりにならない場合があります。また、照会は確認にすぎず、給付を受けるには別に支給申請が要ります。特定一般・専門実践の講座なら、これとは別に、訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングでジョブ・カードの交付を受けたうえで、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認を済ませる必要があります。
COST07条件を満たしても給付がゼロになる場合
給付の対象になる「教育訓練経費」は、学校に払った入学料と受講料(一般教育訓練は最大1年分)です。検定試験の受講料、必須ではない補助教材費、交通費、パソコンなどの機器代、クレジット会社の手数料は含まれません。割引を受けたなら割引後の額で計算します。
そして、計算した給付額が4千円を超えない場合は支給されません。一般教育訓練の給付率は20%なので、経費(下のキャリアコンサルティング費用を加えた後の合計)が2万円以下だと、給付がゼロになる計算です。一方、受講開始日前1年以内にキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを受けた費用は、一般教育訓練では2万円を上限に経費に加えられます。また、一般教育訓練の給付は講座を修了した人が対象で、訓練修了日の翌日から1か月以内にハローワークへ支給申請をしないと受け取れません。
条件を確かめたら、次は講座選びです。費用の総額やサポートの比べ方は通信講座の比較と選び方で、教育訓練給付以外の支援との違いはリスキリング支援と教育訓練給付の違いで整理しています。
FAQ08よくある質問
出典
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」
- 厚生労働省・ハローワーク「一般教育訓練の『教育訓練給付金』のご案内」(PDF)
- 厚生労働省・ハローワーク「専門実践教育訓練の教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金のご案内」(PDF)
- ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」
- 厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律の概要」(PDF)
- 厚生労働省「雇用保険制度Q&A~事業主の皆様へ」(2026年10月14日確認) ─ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000140565.html
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」(2026年10月14日確認) ─ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
- e-Gov法令検索「雇用保険法」(2026年10月14日確認) ─ https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
確認状況
2026/10/14
編集部
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